レールガス圧接機

レールガス圧接機(写真は、半自動タイプのTGP-8型)

鉄道のレールについては、列車走行速度の向上による騒音防止、乗ごこちの改善、および軌道保守の軽減を目的として、ロングレール化が進んでおります。レールガス圧接機は、レールの突合せ溶接に用い、継手性能および小形、軽量で機動性のトータルバランスに優れた溶接方法であり、新幹線から在来線、地下鉄など広くご使用いただいております。なお本機は、国鉄の研究所[現:公益財団法人鉄道総合技術研究所]のご指導の下、(株)白山製作所(現:(株)白山)の圧接機の技術を生かして開発されたもので、海外でも活躍しております。半自動タイプのTGP-8型とデジタルガス流量自動制御装置、バーナー揺動装置を使用することで、より品質の安定が図られ、信頼性が増します。

特長

圧接直後に余盛部を赤熱中に押抜き剪断するため、グラインダ仕上げの作業能率が著しく向上します。圧接部に欠陥が生じた場合、押抜き時にその部分が開口するので、溶接部の品質管理面で効果的です。

  • 溶接強度及び硬度
    加熱温度を鋼の溶融点以下に抑えて、かつ、溶加材を用いないので溶接強度が母材の強度と同等です。
    頭部熱処理レールは溶接時に溶接部が熱影響の為、軟化しますが後熱処理装置により、溶接部の硬度は母材と同程度に回復します。
  • 施工性
    小型、軽量で機動性に富み、工場溶接、現場基地溶接はもとよりオントラック(移動式)溶接が可能です。
  • 経済性
    消耗品は主として酸素、アセチレン及び発電機の燃料費ぐらいのものであり、施工性が良く、機械償却及び人件費を含めても1 溶接当たりの費用が他の溶接法に比べ非常に経済的です。

作業手順

1.レール端面研削
1.レール端面研削

レールガス圧接機は接合部端面のグラインダーがけが肝心で、専用グラインダーで直角に仕上げた後、仕上げ面を洗浄剤で洗浄します。

2.圧接機のセット
2.圧接機のセット

レールを機械にセットし、センターずれのチェックおよびガス、油圧関係等溶接条件の設定、確認を行います。

3.溶接中
3.溶接中

突き合わせ部を酸素-アセチレン炎により、全周から特殊バーナーで加熱(1,200℃~1300℃)を行いながら、加圧して接合します。

4.溶接終了
4.溶接終了

溶接終了後、加圧側クランプをリセットし、本機に内蔵されている余盛押抜き装置をセットします。

5.余盛押抜き
5.余盛押抜き

余盛押抜き装置により、全周の余盛部を特殊バイトにより熱間せん断除去します。

6.押抜き後の接合部
6.押抜き後の接合部

余盛押抜き後、押抜き部表面の接合部に割れ、線状キズの異常がないか目視で判定します。(接合部をグラインダー仕上げを行った後はカラーチェック、磁気探傷検査等を行います。)

YouTubeでレールガス圧接作業工程をご覧いただけます

型式

本体&操作ユニット

ガスコントローラー

仕様

手動タイプ
Model TGP-5 TGP-5-B
本体 クランプ力 Max 230kN Max 230kN
圧接力 Max 330kN Max 330kN
サイズ(mm) L1,310×W550×H740 L1,380×W570×H775
重量 運搬時 230kg 270kg
溶接時 300kg 350kg
外観
電動油圧ポンプ 電源 1.5kW, 200/220V, 50/60Hz, 3相
上記電圧以外も対応可能です。別途相談願います。
最大圧力 70MPa
サイズ(mm) W600×D550×H850
重量 120kg
外観
操作ユニット 操作(制御)方法 油圧切換え弁の手動操作
サイズ(mm) W725×D575×H700
重量 65kg
外観
使用環境 温度:0℃(-10℃)~40℃、湿度:20~85%RH 但し結露しないこと。
( )内は、寒冷地仕様タイプ【TGP-8-S2-TC】
特徴 ・軽量タイプ ・剛性強化タイプ
・メンテナンス性向上タイプ

予告なしに仕様変更する場合があります。

半自動タイプ
Model TGP-8-S2-T(C)
本体 クランプ力 Max 230kN
圧接力 Max 330kN
サイズ(mm) L1,350×W570×H660
重量 運搬時 290kg
溶接時 360kg
外観
電動油圧ポンプ 電源 2kW, 200/220V60Hz, 3相
上記電圧以外も対応可能です。別途相談願います。
最大圧力 70MPa
サイズ(mm) W600×D550×H850
重量 135kg
外観
操作ユニット 操作(制御)方法 タッチパネル操作(自動制御)
サイズ(mm) W201×D97×H230
重量 1kg
外観
使用環境 温度:0℃(-10℃)~40℃、湿度:20~85%RH 但し結露しないこと。
( )内は、寒冷地仕様タイプ【TGP-8-S2-TC】
特徴 ・油圧操作自動化
・溶接条件記録可能
・緊張圧接自動制御
・油圧ホース削減(8本⇒2本)

予告なしに仕様変更する場合があります。

可搬式
Model TGP-H-A
適用レール JIS 60kg, JIS50kgN (各レールにアタッチメントが必要です。)
本体 クランプ力 約 70kN インパクトレンチによる締付1000N・m ⇒ 2Sec
圧接力 Max. 218kN(70MPa) ストローク 200mm
サイズ L1,160mm×W490mm×H230mm
重量 本体115kg+圧接ラム17kg+締結板&ボルト18kg=150kg
余盛押抜部 押抜力 Max 212kN(70MPa) ストローク 190mm
サイズ L600mm×W355mm×H300mm
重量 余盛押抜部65kg+上部バイト10kg=75kg
電動油圧ポンプ 電源 0.75kW, 200/220V, 50/60Hz, 3相 ×2台
圧力 Max 70MPa
吐出量 0.75L/min
サイズ W300mm×D600mm×H580mm
重量 70kg×2台=140kg
外観

予告なしに仕様変更する場合があります。